<民法改正案>相続で配偶者に居住権 高齢社会に対応
 
下室です。

本日は民法改正の話題です。

<民法改正案>相続で配偶者に居住権 高齢社会に対応

改正の要点について少し解説を書いて見ました。

【配偶者の居住の保護】
配偶者が相続開始時に居住している被相続人所有の建物に住み続けることができる権利を創設し、遺産相続の選択肢の一つとして取得できる


これは相続の開始とともに発生する権利なのか、遺産分割でこういう権利を決められるということなのかどちらかわかりませんが、おそらく前者ではないでしょうか。現行法でも不動産自体は子が相続し、妻がその不動産に無償で住み続けられるように合意することは可能なので、わざわざ法律で定める必要はないと思います。相続開始とともに配偶者の居住権を認めるものであれば、遺産分割協議がまとまりやすくなったり、相続税の対策に幅を持たすことができたりできそうですね。


【遺産分割】
婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、配偶者が居住用の不動産(土地・建物)を生前贈与したときは、その不動産を原則として遺産分割の計算対象としてみなさない


これも配偶者の権利が保護さることになりますね。ただ、前述の居住権が新たに創設されるのであれば、配偶者に生前贈与する必要性があまり無いような気もしますが・・・・


【遺言制度】
自筆ではなくパソコンなどでも自筆証書遺言の財産目録を作成できる。法務局が自筆証書遺言を保管する制度を創設する


当事務所でも年に数件自筆証書遺言を取り扱うことがありますが、ご高齢の方の場合にはどうしても文字数が多くなると現実的には難しくなるケースがあります。しかし、財産目録をPCで作成できるのであれば、かなり字を書くという負担が軽減されるので、自筆証書遺言がしやすくなりますね。
法務局が保管というのはどういう目的なのかわかりません。遺言書自体の作成に関与するわけではないので、保管をしたとしてもあまりメリットが無いように思います。偽造や変造を防止できるという意味かもしれませんが・・・


【相続の効力】
遺言などで法定相続分を超えて相続した不動産は、登記をしなければ第三者に権利を主張できない


これはより登記制度を複雑にするような気がします。相続登記の義務化との兼ね合いで今後議論の余地はありそうですね。


【相続人以外の貢献の考慮】
相続人以外の被相続人の親族(相続人の妻など)が被相続人の介護をしていた場合、一定の要件を満たせば相続人に金銭請求できる


この制度には賛成です。これまでも法定相続人以外の親族の方が療養看護されていた場合、遺言書で遺贈する以外に方法はありませんでしたので、制度の内容次第では使えるかもしれません。
ただ、「介護をしていた」と認定する方法は非常に難しいと思います。
  2018/01/17